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2026年版|SNS利用制限の世界動向と日本の規制議論

SNS利用制限の世界動向と日本の規制議論

2026年2月時点のSNS利用制限に関する世界各国の最新動向です。SNS政策は2025年から大きな転換点を迎えており、世界各地で新たな規制や議論が進展しています。

🌍 各国のSNS利用制限(2026年2月時点)

🇦🇺 オーストラリア:世界初の16歳未満SNS禁止法が施行

2025年12月に成立した「Online Safety Amendment Act」により、16歳未満のSNS利用が禁止されました。プラットフォームに年齢確認義務が課され、未成年利用者の削除や不履行時の罰則が運用されています。

🇫🇷 フランス:15歳未満禁止法案が下院で可決

フランス下院が15歳未満のSNS利用禁止法案を可決しました。上院での審議後、正式に成立すればオーストラリアに次ぐ禁止措置となります。学校内の携帯電話利用禁止も併せて検討されています。

🇪🇸 スペイン:16歳未満禁止の方針を政府が明言

スペイン首相は、16歳未満のSNS利用禁止を導入する計画を発表しました。厳格な年齢確認システムの実装義務や、プラットフォーム責任者への規制強化も検討されています。

🇬🇧 イギリス:国民投票で16歳未満禁止支持が急増

英国では政府が年齢利用制限の意見募集を実施中。国民調査で16歳未満禁止への支持が80%に達し、オーストラリアに倣う動きが勢いを増しています。

また、子ども向け広告や危険なコンテンツ露出への懸念も強まり、総合的なオンライン安全策の見直しが進んでいます。

🇺🇸 米国:議会と州レベルで規制が進行

米国では連邦レベルで連邦法「Kids Off Social Media Act」が議論され、13歳未満禁止・17歳未満のアルゴリズム推薦制限などの案が提案されていますが、成立は未定です。

一方、州レベルではバージニア州で未成年に1日1時間制限の法律が施行されたり、複数州で独自の規制議論が続いています

🌏 その他の地域:アジア・中東でも動き

  • マレーシアは2026年から16歳未満のSNS利用制限を計画しています。
  • インドの政党が全国政策提案を提出し、年齢確認義務や削除ルールなどの包括的規制を呼びかけています。
  • エジプトなど一部国では子どものインターネット利用規制が議会で検討されています。

動きの背景と課題

📌 規制の加速理由

  • 子どものメンタルヘルスや依存問題への懸念拡大
  • 有害コンテンツの急増
  • 年齢確認技術の進化と導入検討 これらが欧州・アジア・米国で規制強化を後押ししています。

2026年、日本の議論状況(年齢制限・依存防止政策)

1) 国として「一律の年齢禁止」はまだ決まっていない

結論から言うと、日本では2026年2月時点で、オーストラリアのような「○歳未満はSNS利用禁止」といった全国一律の法的禁止は導入されていません。代わりに、従来の軸は「フィルタリング」「事業者の取組」「家庭・学校でのルール」「啓発(リテラシー)」です。

その一方で、海外の強い規制の流れを受けて、日本でも「SNSそのもの」への踏み込みを含む見直し議論がき出しています。

2) こども家庭庁が「SNS規制の必要性」を議論するWGを設置(2026年1月〜)

青少年インターネット環境整備法の在り方等に関する検討ワーキンググループ(第1回)

2026年1月、こども家庭庁は「青少年インターネット環境整備法(いわゆるネット環境整備法)」の在り方を含めて検討するためのワーキンググループを立ち上げ、諸外国のSNS規制も論点に入れた議論を開始しています。

同庁がSNS規制の必要性や、現行制度の見直し(ネット環境整備法改正も視野)を検討し、2026年7月に中間整理を行う方針が伝えられています。

ここがポイント:日本の議論は「年齢で禁止するか」だけでなく、 闇バイト勧誘・性犯罪・消費者トラブルなど“利用を起点に起きる被害”をどう減らすかに重心が移っています。

3) 既存の“依存防止”は、自治体の啓発条例が先行(罰則よりも行動変容)

国レベルの強制禁止がない一方で、自治体では「スマホの適正利用」を促す条例・宣言が増えています。

代表例として愛知県豊明市は、2025年10月に「スマートフォン等の適正使用の推進に関する条例」を施行し、睡眠や生活リズムを守る観点で啓発と支援を進める枠組みを打ち出しました。(豊明市公式ホームページ

4) 学校現場は「端末の扱い(とくに教員の私物端末)」のルール整備が強化

日本の学校政策は、SNS年齢制限よりも先に、学校内の端末運用(撮影・持ち込み・管理)を厳格化する方向で動いています。文部科学省は、教員による私的端末での撮影禁止など、端末使用ルールの整備徹底を教育委員会に求めている旨を会見で述べています。(文部科学省

※生徒のスマホ持ち込み・校内利用は、地域事情(防犯・災害時の連絡)とも絡むため、全国一律で“禁止一本化”というより、教育委員会・学校ごとの運用になりやすい領域です。

日本は今どこに向かう?(見通し)

2026年2月時点の日本は、ざっくり言うと次の「3ルート」が同時進行です。

  • ルートA:制度見直し(国) こども家庭庁WGで、ネット環境整備法の枠組みを含め、SNS・アプリ起点の被害対策を検討(2026年7月に中間整理予定)。
  • ルートB:依存防止(自治体) 条例や啓発、家庭内ルールの後押し(例:豊明市)。
  • ルートC:現場運用(学校) 端末の持ち込み・撮影・管理ルールの厳格化(とくに教員端末)。

まとめ

海外では「年齢で一律禁止」へ傾く国が増える一方、日本は現時点では禁止よりも“被害の実害に即した対策”と“依存の予防”を組み合わせる方向です。2026年は、こども家庭庁WGの議論(とくに2026年7月の中間整理)を境に、日本のスタンスがどこまで“強い規制”へ寄るかが焦点になります。